謎語・略語・用語辞典
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  言葉の意味は こちらで。  









Oliver Kahn − Abschiedsspiel
FC Bayern München × Deutsche Nationalmannschaft
02.09.2008 in München Allianz-Arena 20:00

ついにこの日が来てしまいました。
オリのファンになったのは2002年のワールドカップ。あの大会で初めてカーンの事を知って惚れるという、何ともベタな入り方ではありましたが、ここまでの6年間、 全身全霊を注いで彼を応援し続けてきたと言っても過言ではないほど、彼の事をその時々の自分が出来得る限りの労力と多くの時間をつぎ込んで応援してきたと思います。

スポーツ選手である限り、いつかこの日が来ることは分かっていましたが、特に昨シーズンの後半辺りからはこの日が近付くにつれてかなり無気力な時を過ごした日が何日かありました。
引退試合が終わった今でも、これまでの色々な出来事、何より彼の数々の素晴らしいプレーを思い出す度、今後はそれが見られなくなるのかと思うだけで寂しく残念な気持ちでいっぱいになってしまうのは確かです。
ですが、実際にこの日を迎えた今、空っぽになってしまうんじゃないかと思っていた自分が、何故かとても落ち着いていて・・・どうやら自分の中ではかなり満足して納得が行っているみたいで、 素直にオリバー・カーンという一人の選手に「お疲れ様、たくさんの感動をありがとう」と言う事が出来たのではないかと思いました。

それもこれも、今まで散々色々な事があったけど、この引退試合を通じて、カーンがスポーツ選手として限られた選手にしか成し得ないどれだけ多くの成功を収めて来たのか、そしてどれだけ多くの人に愛されていたのかがが改めてわかったからなのでした。
数え切れないほどのスポーツ選手が今まで引退というものを経験してきているけれど、こんなに沢山の人に祝福されて惜しまれながら引退できる選手なんて、きっと一握りしかいないですよね。

私はオリの21年間のプロ生活の内のほんの6年間しか知らないけれど、きっとその称賛に見合うだけの苦労と努力をオリはしてきたわけで、きっと迎えるべくして迎えたこの晴れの舞台、スポーツ選手としては最高の形での引退となったと思います。
そして、何よりその大好きな選手の引退を、普通なら見られないはずの遠く極東の地からとはいえ一緒に祝う事が出来た自分は本当に幸せ者だと心から思ったのでありました。

そんなわけで、前置きはこの辺りにしておきまして、その納得の(?)引退試合〜セレモニーの様子をいつもの試合レポ風にまとめてみましたので、ご興味のある方はお読みいただければと(笑)

Blogの方でも書きました通り、実際ライブでは映像が見られなくて音とSport1だかどこかのTickerのみでの観戦だったのですが、その様子は数時間後ZDFで配信されていた録画ビデオにより全て観ることが出来たのありました。
今思うと、これが逆に良かったのかもしれません。ライブで観られなかった事で、セレモニーだけならば後日どこかにアップされる事はあるとしても、試合自体はもう絶対に見る事は出来ないだろうと思ってかなり落ち込んでいたので、 試合も含めたライブ中継と同じビデオの配信があると知った時は、本当に天にも昇る気持で泣きながらビデオに飛び付いたものです(笑)
なので、その喜びがこの満足感を生んだというのは少なからずあるかもしれませんね(^^;

試合前には、引退するオリに沢山の人たちから寄せられたメッセージビデオが流れていました。









メッセージをくれたのはラムたん、ジーコ、ボメ、セードルフ、ミロ、ランラン(ダレ・・・)、レーマン、フィーゴ、シュヴァ、モウリーニョ、シュマイケル、レンジ。
シュヴァだけがやけに身振り手振りが大きく、興奮して話しているような感じが(笑)言っている内容はわかりませんが、このシュヴァからは「ボス」、ラムたんやミロのメッセージからはゴルフという単語が聞こえた様な(笑)
後日FCB.tvでシュヴァ、ボメ、兄貴、マルセル、ミロ、ラムたん、ポルディ、オットル、レンジからのビデオメッセージがアップされていましたが、どうやらここで流れたバイエルンメンバーのメッセージは、そのビデオからの抜粋の様ですね。

スタジアムはライトが落とされて花火の演出など・・・センターサークルには大きなオリの顔が。
選手入場は、オリ抜きでの入場でした。

この試合、ドイツ代表選手でも、バイエルンの選手はバイエルンの選手としての出場でしたが、シュヴァだけがなぜか代表側での出場となっていました。バラやフリが怪我により出場出来なくなったため急遽なのかと思いましたが、実際のところはわかりません。

主審を務めるのは、オリの公式戦最後となったヘルタ戦の主審を務めてくださったマルクス・メルク氏です。あの日、最後にユニフォームを交換した仲ですから、オリの希望だったのかもしれませんね。



両チームが入場し、整列すると、「Ich&Ich」というグループが『So soll es sein』という曲を生演奏する中、いよいよこの日の主役であるオリの入場です。





ピッチへ続くあの階段を一段一段踏みしめるようにゆっくりと上がるオリ。オリが姿を現すと、スタジアムは大歓声に包まれました。
代表チームの一番端から一人一人と握手をして行くオリ。シュヴァには一言声をかけ、ボメには頭を軽く叩かれていました(笑)みんな・・・特にバイエルンの仲間が笑顔でオリを迎えていたのがとても印象的でした。


そしてこれがオリの引退試合のメンバー。














オリ、オッド、レル助、ブレーノ、ラムたん、ボメ、ソサ、ゼ、ボロ、ルカ、ポルディです。

兄貴やミーチョ、ルシオがいないのは、この数日後に行われる代表戦に出場する為に一足早くミュンヘンを離れたからだそうです。ちょぴり寂しい・・・。 けど、ルカやボメがいたという事は、彼らはわざわざ残ってくれたんだってことがわかって、それが余計に嬉しく感じられました。

さて、いよいよコイントスですよ。
オリとシュヴァがお互いのタペストリーを交換。この時、オリが笑ってシュヴァに何か冗談を言っていた様でした。
・・・まさかオリ率いるバイエルンとシュヴァが率いるドイツ代表が対戦する日が来るなんて・・・。
オリは本当にシュヴァの事を可愛がっていたようですから、代理とは言え、代表のキャプテンを務めるまで立派になったこのシュヴァの姿を見てきっと嬉しかったでしょうね。


そしてオリがシュヴァの師匠であるならば、そのオリの師匠であるのがゼップ・マイヤーさんでありまして、今日ばかりはもちろんそのゼップさんもベンチに入って愛弟子であるオリの最後の雄姿を見守ります。
試合中、ゼップさんがオリを見つめている姿が何度か映し出されていましたが、その度に胸がキュンとなった私なのでした。。。

そうそう、そう言えば代表の方のメンバーを書いていませんでした(^^;
代表のスタメンは、エンケ、フリッツ、タスキ、メツェ、マルセル(・・・泣)、ロルフェス、トロ子、マリン、シュヴァ、ゴメス、ヘルメスです。



試合開始直前、ゴール前に立つオリ。たぶん、スタジアムに訪れた69,000人の内ほぼ全員がオリを見ていたのだと思います。オリがいつものようにスタンドに向かって手を挙げて叩くと、その瞬間、スタジアム全体がそれに応えるように拍手に包まれました。
オリはいつものようにガムを噛んでいて、キャプテンマークを腕に巻き、前を見ながら後ろ向きに歩くあの姿とかグローブに唾を吹きかけて気合いを入れる姿とか・・・本当に何も変わっていなくて、それなのにどうして引退しなければならないのか、理屈ではわかっていても本当に残念で悲しくなってしまいましたが、逆に何も変わっていないことに、とても嬉しい気持ちにもなりました。

ドイツ代表のキックオフで試合開始です。
笛と同時にゴメス&ヘルメスがちょこんとボールを動かし、シュヴァがそのボールを真っ直ぐ前へ大きく蹴り出しました。そのボールをダイレクトでオリがキャッチ。・・・これは・・シュヴァなりの挨拶だったのでしょうか。

2分、開始直後のロングキックに続き、最初のシュートもシュヴァ。このシュートもオリがきっちりキャッチ。これだけでスタジアム全体が沸きます。
6分、マリンのシュート。目の前でバウンドする嫌なシュートでしたが、これもオリが右手を上に伸ばし叩き出します。
ここでスタンドで観戦しているバラとルディが映りました。
8分、とにかくオリがボールに触ると、もれなく歓声と拍手が起こるって感じで、なんだか06W杯の3決の時の状況に似ていますが、あの時と今とでは明らかに状況が違いますよね(苦笑)
11分、うわ!!エルバー!!わ〜エウベルも来てたんだ〜。なんか・・全然変わってないなぁ(^^)
オ〜リ!オ〜リ!オ〜リ!オ〜リ!オリコールが起こってる(笑)
12分、今度はリベりんがカメラに抜かれる。

オリ!チャチャチャッチャ!オリ!チャチャチャッチャ!・・・・色んなオリコールが(笑)
オリはいつの間にかいつもの試合中の表情に戻っていて、大きな声をスタジアムに響かせています。

15分、・・・!?ゼップさん!?今鼻の穴に何か突っ込みました!?(゜▽ ゜?
19分、あのぅ、バイエルン・・・さっきからオフサイドトラップかかりまくりなんですがぁ・・・(^^;
20分、シュヴァシュート!→オリキャッチ!!
21分、オッドのクロスからルカの激惜しいシーンあり。
23分、代表チームのCK→ブレーノヘッドでクリア→そのボールを拾われてシュート撃たれる→再びブレーノ、足でクリア→そのボールがゴメスの手に当たってファウル。バイエルンボールになります。
25分、ボメシュート!・・・はエンケの正面。
26分、トロ子のFKもオリキャッチ。
28分、シュヴァのCK→これもオリが右手パンチングでクリア。
29分、ソサのシュートはゴール右に外れる。
30分、あー・・なんか普通のバイエルンの試合観てるみたいな感覚に陥って来た(^^;

33分はあぁぁ〜〜〜〜〜!!!!( ̄ロ ̄;;;;・・・・ブレーノオウンゴール(爆)
トロ子のシュートをブレーノがクリアに行ったつもりが、足に当てて見事に押し込んでしまう形になってしまいました。
これ、もしブレーノが触ってなかったら枠外れてたのかな〜?いや、どっちにしろ入ってたっぽいか?記録がブレーノのオウンゴールではなくトロ子のゴールになっているってことからも、枠に行っていたって事だと思われます。ううむ・・残念。とりあえずこれで0−1。先制されてしまいました。
35分、ラムたんのシュートはエンケ。
37分、オッドからボロのヘッドはゴール左。枠行かねぇ〜〜(泣笑;;;
44分、マリンのシュートはオリキャッチ。・・・・オリ、何気に忙しいみたいなんですけど、どういうことだ(汗)

45分、前半終了。

ここでオリが何故かキャプテンマークを外していたのでどうしたのかと思ったら・・・カメラマンのおっちゃんに「着けて〜」ってお願いしてました。外したんじゃなくて外れちゃったのね(笑)
そして前半終了直後にインタビュー。笑顔で晴れ晴れとした表情をしています。

・・・と思ったけど、どうやらこのインタビュー、前半終了直後じゃなくて、ハーフタイムに行われたPKのチャリティーイベントの直後の様で、インタビュー中にそのイベントの模様が映し出されていました。
確かこのイベントでは子どもがPKを1本決める毎に何ユーロとかあったと思うんですが・・・オリは本気止めですな(^^;オリが止めても幾ら、とかあるんだったっけかな?



さて後半開始ですよ。
後半からはルカに代わってミロ、ボメに代わってオットルが入ります。
代表側も一度に6人交代です。
まずはGKがエンケに代わってヴィーゼ!きゃほ〜♪公式戦じゃないとはいえ、これってヴィーゼ代表デビューって事ですよねぇ!?わ〜良かったなぁ〜あたしゃぁ嬉しいよ〜(T▽T)
あとはゴメス→クラニー、マルセル→パンダー、タスキ→ベスターマン、フリッツ→ヒンケル、ロルフェス→ヒツルスペルガーです。
46分、ポルディのダイレクトボレーは惜しくもゴール右!!
良いシュートにシュヴァが声をかけていました。嫁に褒めてもらって(←?)ポルディ本人も嬉しそう。
47分、トロ子のシュートはオリセーブ。
キャッチは出来ないものの、前にこぼさず目の前にピタリと止める技術は、やはり流石です。
49分、シュヴァがゼに被さって・・・・・・何してんの?(^^;と思ったら、シュヴァがさっきパス出した時にゼともつれてしまったようで・・・なんかこう、ゆっくりゴロリンと転がって倒れる様が遠くから確認されました(笑)ちょっとかわいい・・・
いやしかし、勝敗は二の次とはいえ、このままバイエルンが負けてしまうのはもの凄くイヤだな・・・なんとかならんのか?この際誰かPAでわざとコケてPKもらうとかでもいいしー。<ダメだ
そんな事を言っていたら・・・
50分ミロTOOOOOOOOOOOOR!!!やった〜〜〜♪これで1−1☆
オッドのパスに右足で合わせました。ミロ、公式戦じゃないけど、今度はちゃんとPKじゃなく流れの中から決めたね。よかよかvvオリも手を叩いているぞ!

57分、わ〜〜〜〜っ!ゼからポルディのシュート、ヴィーゼのスーパーセーブ!!く・・悔しいけど・・嬉しそうなヴィーゼに免じて許すよ(T。T)トホ。。
60分、シュヴァのシュートは大きく枠を外れます。・・・けど、やっぱり何だか嬉しそうなシュヴァなのである。
オリも何か言っています。誰に向かって言っているのか本当のところはわかりませんが、たぶん何度も何度も向かってくるシュヴァにだと。
この二人、何だか試合中にコンタクトを取っている感じが・・・「行くよ、オリ!」「さぁ来い!」みたいな(笑)
シュヴァがオリの最後の試合で敵として対戦するのは最初はすごく嫌だったけど、こういうのを見ているとこれはこれで良かったのかな〜って思えてきます。
先に言ったことと被りますが、オリの守るバイエルンゴールに代表キャプテンとしてのシュヴァが向かい合う。こんな日が来るなんて・・・ 想像もできなかった・・・。これもある「意味歴史的瞬間」になるのかな(笑)

65分、あと10分・・・オリが下がると言われている時間まであと10分になりました。
66分、シュヴァは本当にオリにゴールを捧げようとしているみたいで、どんどん攻めて来ます。オリもそれがわかるのか、何だかとても嬉しそう。
70分、は・・・っレンジがアップを;;いよいよなのか・・・
71分、オリのフィスティング、キャッチ、横っとび、パンチング・・・今まで何度も見てきた当り前のこれらのプレーが、ここからは最後の○○になって行くのかと思うと、何とも言えない感覚に。。。
72分、そうなるとこれは最後のゴールキックって事になるのかしら〜(泣)
74分、ミロ→ソサのヘッドはヴィーゼ。あと1分。。。

75分ピーピーピーーーー!!メルクさんのフエ。お・・終わったの・・?

75分ピッタリでした。
それと同時にスタンドからはシャワーの様に降り注ぐ拍手。スタジアムのほとんどのライトが落とされ、オリがいるところにだけスポットライトが落とされます。
バイエルンのフラッグをマントのように背中からかぶり、拍手と歓声にこたえながらピッチの外へ向かうオリ。






シュヴァが最初に挨拶に寄ってきました。(最初とかいう前に、シュヴァしか来てませんでしたが(^^;)
駆け寄ってきたシュヴァと軽くハグを交わしたあと、オリはレンジングと抱き合い、二言三言言葉を交わしていました。そしてピッチの外へ。。。
こういう時って、どういう言葉を交わしているのか聞いてみたいですね。意外と毒吐き合ってたりして(笑)って、そりゃないか。

BGMが流れ、オリがスタンドのファンに応えながらスタジアムを一周します。BGMは「Time to say goodbye」。
ライブで音だけ聴いていた時は、このBGMやけに臨場感あるな・・・しかもこの声聞いた事があるような・・・などとボンヤリ思いながらオリを想って歌に耳を傾けていました。 聴いているうちに自然と涙が出て来て、歌がクライマックスに差し掛かる頃にはもうボロ泣きだったんですが・・・ビデオで観て知りました。これ、生歌だったんですね(^^;しかも歌っているのはあの今季のBL開幕式で「Nessun dorma」を歌われていたポール・ポッツ氏。そら聞いたことある声なわけだ。

しかしこれを映像で見て更に驚いたのは、ポッツ氏がセンターサークルのど真ん中で歌っていた事だった(笑)オリより目立ってねぇかそれは〜?と突っ込んでみたりして。
でもここで曲がかかってオリがビクトリーランとなると、試合はどうなるんだろうか・・・?なんてことも思いはしましたが、そんな事はきっともうどうだっていいんだろうな。。。

一周したオリが戻ってくると、バイエルンのチームメイトと代表イレブンが並んで待っていました。
そしてオリがマイクを持って挨拶を述べます。
勿論最後の「Danke schön」以外、何て言っているのかはわかりませんでしたが、「キャリア(経歴)」とか「バイヤン(バイエルン)」とか「ナショナルエルフ(代表イレブン)」とか「ツーシャワー(お客さん)」なんて単語が聞き取れました。
バイエルンオフィシャルに書かれていた記事によると、 オリはこの日の事とこれまでのプロキャリアを支えてくれたファンのサポートに感謝をしながら
「なんて言えばいいのか分からない・・・自分のキャリアのなかで一番の瞬間を体験した。今日は自分にとって頂点だった。ありがとう!」と・・・そう言っていたそうです。
二度目の「Danke schön」が消え入るような小さな声だったのが印象的で、これで私はまた「わーん;オリ〜〜〜;;;」って感じだったんですが、単にマイクが離れただけかもしれませんね・・・。
オリはそう述べてマイクを置くと、この日集まってくれた代表イレブン一人一人とウリ、クリンシに挨拶をして、最後にもう一度スタンドのファンに手を挙げて答えたあと、ロッカールームへと向かう階段を降りて行きます。
そしてそれを追うカメラ。。。

何度も言うようですが、ライブでは映像を見られていなかったので、最初はまさかカメラがロッカールームまで追いかけてオリの姿を映しているなんて思っていませんでした。 でも、「オーリ!オーリ!オーリ!」の歓声に混ざって聞こえてくるスパイクを履いて廊下を歩いているような靴音とドアを開ける音、それからマジックテープを外す音、そしてため息・・・それで何となくそうなのかなという事はわかりました。


ロッカールームに着いたオリは、手に持っていたフラッグとマフラーを置き、グローブを外してテーブルにいくつも並べて置かれていたコップに入ったドリンクを一杯一気に飲み干します。そして続けて更にもう一杯・・・。
コップを置いて少し歩き、大きくもう一息。ロッカーに腰かけたオリが、ここでカメラに向かって少し笑顔を浮かべて一言何か言いました。「Das was ist(?)」とか何とか聞こえたけど、実際何て言ったんだかは分からないままです。 (※後日コリアンダーさんに教えていただいたのですが、「Das war's jetzt.」と言ったのだそうです。その後送られてきたバイエルンマガジンにも載っていましたので、追記しておきます。)それからオリはすぐに下を向いてゆっくりとスパイクを脱ぎ始めました。

後からオリは「どんな気持ちになるかなんて言葉にできない」「涙を流したいと同時に大きな喜びもそこにある。」そして、沢山のファンに挨拶をしてグラウンドを一周している間に「何度か涙がこみあげた」と告白していました。
もしカメラがこうしてロッカーまでオリを追いかけて来ていなかったらオリはどうしていたのかな。もしかしたら、人知れず涙を流してその場でしばら動かなくなっていたかもしれませんね。

いつまでも止まないオリコール。そんな中、試合は再開された様ですが、時間が表示されていません。セレモニー中、時間は止められていたのか、それともそのまま進んでいたのか・・・
76分、オフィシャルの試合レポートによると、とりあえず76分にバイエルンは選手交代があったようです。
オッドに代わってハインツェ、ラムたんに代わってスティーレという選手が入っています。それから勿論オリに代わってレンジング。
試合は淡々と進められましたが、90分(?)メルクさんのフエが鳴り、試合終了。結局1−1ドローでの終了となりました。
思っていたより終了が早かったのか、レンジが「まだ時間なってないっ」と抗議をしています。真面目なのかなんなのか(笑)でも、時間はもういいんだよレンジ。それとも、オリの引退試合をどうしても勝ち試合で終わらせたかったの?

いつの間にか止んでいたオリコールがまた再開されました。「オ〜リオ〜リオ〜リ」。
そんな中、ゼップさんとシュヴァのインタビューがあり、続けてZDFの特設スタジオでオリのインタビューが。ユニフォームを脱いでアンダーシャツになり、肩からユニを掛けて巻いている格好です。
静かに話すオリは何だか幸せそう・・・・と、ここで突然インタビューに答えながら移動!?

オリコールと歓声に応える為にピッチの方に向かっている様です。インタビューに答え終わってマイクを渡すと、オリは小走りでピッチに向かいます。

スパイクを脱いで裸足のままソックスだけで現れたオリに、再びスタジアムは大歓声に包まれ、ここであの 「OLLI」が流れました。
少しの間でしたが、オリはゆっくりとスタンドを360度見回し、丁寧に手を振って69,000のファンに応えてます。最後は肩にかけていたユニフォームをスタンドに投げ入れ、再びロッカーへと消えて行きました。

この後バラックやビアホフのインタビューが流れ、クリンスマン、レーヴ両監督の話などがありましたが、この時の私の胸のモヤモヤ感、喪失感といえば、何とも計り知れないものがありました。

オリがどれだけ暖かくファンに愛されて盛大に祝われ送り出された引退試合だったかは、確かに音だけでも十分に伝わってはきましたが、この6年間オリを懸命に追い続けた最後の試合が音声だけだなんて・・・。大げさかもしれませんが、自分の運のなさを呪いましたよ・・・これまでオリを応援してきたことが間違いで、 全部否定されてしまった様な気分になって相当落ち込みました。
けれどその後、先にも言ったようにZDFでこの試合の模様が配信されているのを知り、一部始終を観ることが出来た今、実際の時間から10時間遅れではありましたが、そのどうしようもないモヤッと感はちゃんと拭えたと思います。

オリには確かにまだ現役を続けられるものなら続けて欲しかったですし、いつまでも現役のオリを見ていたかったという気持ちには嘘は付けないです。だからそうであったら良いなとは思いますが、これで引退なんだよ、と言われても、それはそれで今なら素直にオリの引退を受け入れる事が出来ます。

ありがとうオリ。あなたのファンになって良かったです。

選手としてのカーンのファンになって追い続ける内に、今ではすっかりオリバー・カーンという一人の人間の虜になってしまいました。
プロサッカー選手のカーンとはお別れですが、これからもオリの事は出来る限りずっと見ていきたいと思っています。
幸いな事に、オリは今後もサッカーと係わって行く道を選んでくれた様で、こんな極東の地からでもネットを通じてその動向を追う事が許されたみたいですからね(笑)
今のところ、オリがどうしたいと思っているのかはこちらFCBオフィシャルにて。
他にもこのオフィシャルHPで 試合レポートセレモニーの様子が紹介されています。
中でも嬉しかったのは、この シュヴァとオリの話。 試合中に感じた「どうしてもゴールを決めたい」というシュヴァの気持ちと、それを感じ取っていたオリ。そしてずっと気にかけていたシュヴァの成長をオリが嬉しく思っているという事が、単に私の中だけでの妄想じゃなくて本当だったというのがとても嬉しいです。
試合後にはパーティーなんかも行われた様で、沢山の人たちのサインの入ったバイエルンのボードや、ゴルフのクラブなんかをもらっていたもよう(笑)

右の写真はオリの手書きメッセージ。
【Vielen Dank für einen gigantischen Empfang】と書かれているようです。「盛大なもてなし(パーティ)をどうもありがとう」・・・で合ってますか?(聞くな)
2行目のスペルの解読に時間がかかりました(^^;
外国の人の文字ってみんなすごく癖があって読みにくいんですが、オリの文字も独特ですよね。でもまるっこくてカワイイな〜といつも思っていました(笑)

そんなこんなで、長くなりましたが、私のオリ引退試合レポもこの辺りで終わりにします。
最後にもう一度だけ。
ありがとうオリ。21年間のプロ生活、本当にお疲れ様でした。この先も変わらず続くあなたの人生がずっと幸せであることを願って、これからも応援して行きます。
オリバー・カーンと、そのカーンの愛したバイエルンの未来に栄光あれ!

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